ワイン造り【マセラシオン(醸し)】とは?意味について解説します

ワインの基礎知識

マセラシオン=醸し

ワイン造りに欠かせないキーワードの一つに、マセラシオンが挙げられます。マセラシオンは日本語で「醸し」のことを指します。ワイン造りにおける醸しとは発酵中の果汁と果皮とを一緒に漬け込むことを指します。そうすることで、ブドウの果皮に含まれる色素が果汁に溶け込み、ワインに色をつけます。

例えるならコーヒーを想像してみてください。時間をかけてゆっくり抽出したコーヒーと、素早く出したコーヒーとでは、色の濃淡が大きく変わりますよね?ワインも一緒で、時間をかけて長めに醸すと、果皮の色がよく発色します。ちなみに、黒ブドウを使った場合、果皮に含まれる”アントシアニン”や種に含まれる”タンニン”という成分がワインを赤色にしています。

重厚なワインを造る場合は醸しを長めにし、軽めなワインを造る場合は醸し時間を短くします。

スキンコンタクトとマセラシオンの違いは?

ワイン醸造において、似てる用語の一つにスキンコンタクトという言葉があります。スキンコンタクト醗酵前のジュースの段階で果皮を漬け込む事を指しマセラシオン醗酵中に果皮を漬け込むことを指します。混合しやすいですが、両者には明確な定義の違いがあるんです!

シャンパーニュとマセラシオンの関係

世間一般的に、認知度の高いワインの一つとして、シャンパンが挙げられます。実はシャンパーニュ造りにおいて、この”醸し(マセラシオン)”というのがとっても重要なキーワードになります。一般的にシャンパーニュと聞くと、白い見た目の発泡性のワインを想像するかと思います。でも多くのシャンパーニュは黒ブドウも使われています。具体的には、シャルドネという白ブドウと、ピノノワールという黒ブドウを合わせたものが多いのです。では、なぜ白い見た目なのかというと、黒ブドウの醸しの時間を飛ばして造るからです。上記に書いた通り、醸しの時間はアントシアニンを溢出するのが目的のため、この醸しを飛ばすと白ワインの様な見た目になるんです。そんな、白い見た目の黒ブドウで造ったワインと、白ブドウで造った白ワインを合わせて造るのがシャンパーニュの最も一般的なスタイルです。

ロゼのシャンパーニュについて

ロゼのシャンパーニュは見た目にも華やかですよね!実はこのロゼのシャンパーニュに関しては特殊なんです。まず、白ブドウで白ワインを造ります。そして、上記とは異なりますが、黒ブドウを使ってしっかりとマセラシオンを行ない、赤ワインを造ります。そして、白ワインと赤ワインを混ぜて、瓶内二次発酵によってスパークリングワインにしたのがこのロゼシャンパーニュなんです!どこが特殊かというと、2点有ります。

①【ブレンド法によるロゼワイン造り】EUではこの白ワインと赤ワインを混ぜてロゼワインを造ることは一般的には認められていませんが、このシャンパーニュ地方のみ認められています。その背景として、アッサンブラージュ(ワインを混ぜる)の文化が伝統的に発展しているからだと言われています。

②【醸して造る】シャンパーニュ地方では、白い発泡性のシャンパーニュ造りが一般的なため、赤ワインを造ること自体がレアと言えます。

ちなみに、シャンパーニュ地方で作られたロゼワインは一般的にやや割高になる傾向があります。これは個人的な考察ですが、設備費がかかるからだと考えています。ロゼワイン造りのためにだけ赤ワインを生産して貯蔵するのですから、当然ですね!

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回はマセラシオン(=醸し)について解説いたしました。赤やロゼワイン造りにおいて、またオレンジワイン造りにおいてもこの醸しの概念はとても重要なキーワードになります。

ではでは!

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