ロゼワインとは?作り方についてわかりやすく解説します【図解】【基礎知識】

ロゼワイン

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突然ですが、ロゼワインと聞いてどんなイメージを持つでしょうか?白ワインや赤ワインと比べると、日本人にとっては馴染みが薄くなんとなく取っ付きづらいイメージがあるのでは無いでしょうか?

今回は、ロゼワイン初心者さんに向けて、ロゼワインの正体について徹底解説いたします!

ロゼワインとは

結論。ロゼワインとは、実は明確な定義はありません

ロゼワインの「ロゼ」とは、フランス語で「薔薇色」のことを指します。つまり、「ピンク色のワイン」という大まかな定義づけはできます。一般的には、赤ワインに寄ったり、白ワインに寄ったりと、ロゼワインの造り方によって特徴が大きく異なります

そのため、ロゼワイン=なんだか取っ付きづらいと感じてしまうわけです。ロゼワインを語る上で、その造り方について、しっかりと整理することが大切だと言えます。

ロゼワインの製法と特徴

ロゼワインの造り方は大きく分けて4つあります!

セニエ法直接圧搾法混醸法ブレンド法
造り方最もポピュラーな製法。赤ワイン的な造り方。セニエ=「血抜きの意味」赤ワインよりも短時間(8時間〜48時間)のマセラシオン(醸し)の後、果汁のみを抜いて発酵。白ワイン的な造り方黒ブドウを使って、白ワイン同様に圧搾して発酵させる。果皮の色素を抽出するために、ゆっくりと圧搾する。白ブドウと黒ブドウを混ぜて短時間のマセラシオンを行う。醸造過程はセニエ法と同じ。赤ワインと白ワインを混ぜる方法。シャンパーニュ地方や日本でしばしばみられる造り方。


*EUではシャンパーニュ以外でこの方法は禁止されている。
特徴色調:濃い
タンニン:豊富
味わい:辛口〜甘

色調:淡い
タンニン:控えめ
味わい:甘〜辛まで
代表的な銘柄タヴェル(仏のロワール地方)マテウスのロゼ
(ポルトガル)
ロートリング(独)シャンパーニュ地方
日本

地域別ロゼワイン産地

ロゼワインは黒ブドウを生産している地域であれば、どこでも生産可能です。ロゼワインは、造り方によって味わいが大きく左右されるため、これといった特徴が掴みづらいです。そこで、地域ごとの代表銘柄とその特徴についてまとめます。

フランスのロゼ

フランスのロゼワインは一部の地域でしか作っていません。代表的なフランスのロゼワイン生産地域をご紹介いたします。

プロヴァンス地方
代表銘柄プロヴァンスロゼ
主な造り方セニエ法 直接圧搾法
主なブドウグルナッシュなどetc…

ロゼワインと聞いて真っ先に思い浮かぶのがこのプロヴァンスのロゼでは無いでしょうか?

ポイントは4つ

  1. フランス3大ロゼワインの一つ
  2. プロヴァンス地方の9割がロゼワインを生産している
  3. 柑橘系の果実やスパイス、ピンクペッパーなどの香りを感じられる。
  4. 比較的、色の淡いロゼを好んで造る生産者が多い

プロヴァンス地方はフランスの南に位置し、一部を除いて地中海性気候の産地です。カラッとした気候が、ブドウの生育を助け、安定した収穫を可能にしています。また、プロヴァンス地方はBC600年ごろからワイン作りを行っており、フランス最古のワイン造りの歴史を持っています。

プロヴァンス地方がロゼワインの生産量9割を占める理由として、海の幸と黒ぶどうという2つのキーワードが絡んできます。元々、ここの地域では、伝統的に黒ブドウの生産が盛んでした。それに加えて、プロヴァンス地方は地中海に面しており、海の幸が豊富。食卓でも、お魚や貝など、多くの魚介を使ったお料理が出されています。そのため、黒ぶどうを使って白ワイン的なワインを作る=ロゼワインが普及。現在ではフランスを代表するロゼワインの産地になりました。

ローヌ地方【タヴェル】
代表銘柄タヴェル
主な造り方セニエ法 直接圧搾法
主なブドウグルナッシュなどetc…

ローヌといえばタヴェルのロゼ!

ポイントは4つ

  1. フランス3大ロゼワインの一つ
  2. 「ロゼワインの王」とも呼ばれる。通常、ロゼワインは早飲みタイプ多いが、タヴェルのロゼは5~6年、ものによっては10~15年の熟成にも耐える物もある。
  3. たっぷりの果実味とバラの香りが特徴。しっかりとした辛口のワインが多い。
  4. 比較的色の濃いロゼワインが造られる

タヴェルはフランスのローヌ南部にあるロゼワインが有名な産地です。20Cを代表するアメリカの小説家、ヘミングウェイは、著書「エデンの園」の中で、タヴェルのワインについて「恋人たちには素敵なワイン」と書き残しています。その他、ルイ14世など、多くの偉人からも愛されてきた歴史ある名醸地です。

ロワール地方
代表銘柄ロゼ・ダンジュ カベルネ・ダンジュ
主な造り方セニエ法 直接圧搾法
主なブドウカベルネ・ソーヴィニヨン、グロロー、カベルネフランなどetc…

ロワールは西はペイ・ナンテ地区から東は中央高地まで、地域全体でロゼワインを生産しています。その中でもとりわけアンジューソミュール地区の二つの地区名A.O.C.A.O.C.ロゼ・ダンジューとA.O.C.カベルネ・ダンジューが有名です!

この二つのA.O.C.のポイントは3つ

  1. フランス3大ロゼワインの一つ
  2. 中甘口(残糖量10g/L以上)
  3. やや残糖ありで、酸味もある、チャーミングで軽い仕上がりになる。

また、A.O.C.ロゼ・ダンジューとA.O.C.カベルネ・ダンジュー二つを比較すると

ロゼ・ダンジュー品種:グロロー主体
色調:淡いものが多い
味わい:中甘口〜甘口がほとんど
若飲みタイプ

カベルネ・ダンジュー品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フランのみ
色調:色調は濃いめでタンニンも感じられるものが多い
味わい:中甘〜やや辛
若飲みタイプが主だが、熟成向きの物も造られる
ボルドー地方

ボルドーは言わずと知れたフランスワインを牽引する名産地。メッドクの格付けのイメージが強く、ロゼワインがフィーチャーされることはあまり多く無い地域です。しかし、ボルドーでも良質なロゼワインが作られています。

代表銘柄ボルドー・クレレ ボルドー・ロゼ
主な造り方セニエ法・直接圧搾法
主なブドウカベルネ・ソーヴィニヨン、メルローなどetc…

ポイントは2つ

  1. 辛口な仕上がりが多い
  2. ボルドー・ロゼとボルドー・クレレの二つが有名

ボルドー・ロゼとボルドー・クレレの比較

ボルドー・ロゼ品種:カベルネ・ソーヴィニヨンなど
色調:淡いものが多い
味わい:ボルドー・クレレよりも軽めで辛口のスタイル
直接圧搾法を使用。淡いさくら色のものが殆ど。
20%まで白ブドウを使用できる。
ボルドー・クレレ品種:カベルネ・ソーヴィニヨンなど
色調:濃いものが多い(赤とロゼの間の色調
味わい:ボルドー・ロゼよりも重めで辛口のスタイル
クレレとは、赤とロゼの中間の濃い色合いのロゼのこと。
醸しの時間が赤ワインよりも短い。
ボルドーロゼと違い、こちらは黒ぶどうのみしか使用できない

同じボルドーでも、二つの違いがはっきり分かれています!

ブルゴーニュ地方

こちらもボルドーと同様、フランスを代表するワイン生産地の一つで、赤ワインがあまりに有名なため、ロゼワインのイメージが薄いかと思います。しかし、黒ブドウがある所にロゼワインありです。こちらでもおいしいロゼワインを生産している地域があります。

代表銘柄マルサネ・ロゼ
主な造り方セニエ法 直接圧搾法
主なブドウピノノワール

ブルゴーニュの村名A.O.C.マルサネは、コート・ド・ニュイ地区の最北に位置し、ブルゴーニュのコート・ドール(ロマネコンティなどの世界的に有名な畑が含まれる地域)の中で、唯一ロゼワインの生産が認められている地域です。

マルサネのロゼのポイントは2つ

  1. ピノノワールを用いたチャーミングな辛口が多い
  2. 「ドメーヌ・クレール・ダユ」

チャーミングさの中に、ピノノワールの品種特香でもある、紅茶の香りや、時にはハイビスカスのような香りが特徴。マルサネのロゼを語る上で、避けては通れないのが、「ドメーヌ・クレール・ダユ」の存在です。19191年「ドメーヌ・クレール・ダユ」がマルサネでロゼワインを初めて製造しました。現在では「ドメーヌ・クレール・ダユ」の創設者は亡くなってしまいましたが、ダユの創設者のが意思を受け継ぎ、ドメーヌ・ブリュノ・クレールとしてマルサネの地でロゼワインを生産しています。

ロゼワインの好みを見つける

冒頭に、ロゼワインは取っ付き辛いと申し上げました。そこで、好みのロゼワインを見つけるためのフローチャートを作成いたしましたので是非参考にしてみてください!

ソムリエが作った!好みのフランスロゼワインを見つける表

上記のフローチャートを使いこなせれば、ロゼワイン選びに困ることはなくなります!もし、決定打にかけるようでしたら、もう一度記事上部の地域別ロゼワイン産地のページを参照してみてください!

ロゼワインの甘口辛口問題について

チャートを作ったのは良いものの、甘口か、辛口か、やはり地域の中でも、造り手のさじ加減によって変わってきます。ラベルの裏面に書いてあれば良いのですが、全部が全部書いてあるとは限りません。そこでみていただきたいのが、アルコール度数です!

アルコール度数と甘さの関係

ご存知の方も多いかと思いますが、アルコールの高さは、糖分の高さと反比例の関係にあります。なぜなら、アルコールを生成する過程において、糖分を消費するからです。つまりアルコールが高いと辛口。低いと甘口になる傾向があります。ロゼワインにおいて、甘口と辛口の基準となるのが11%だと私は結論づけています。

是非、参考にしてみてください!

ロゼワインとお料理

ロゼワインは白ワインと赤ワイン、どちらに近い飲み物でしょうか?答えは『白ワインに近い』です!セニエ法などで作ったワインも、やはり醸しの時間は赤ワインほどでは無いため、タンニン分もさほど多くはありません。そのため、合わせるお料理もどちらかというと白ワインに合わせられるようなお料理が多いのが事実です。しかし、とは言え、特に濃い系のロゼに関しては、一定のタンニン分もあるため、鴨や豚などのお肉の脂身との相性も良く、まさに万能ワインと言えます。レストランのコース料理を、一本で楽しむには、ロゼワインは間違いなく、最適な選択肢の一つと言えます。

ロゼワインとお料理とのペアリングの考え方

ロゼワインのペアリングの考え方として、2通りの考え方があります。

  1. 色を合わせる
  2. 甘さを合わせる

詳しくみていきましょう!

色を合わせる

結論、ロゼワインは色で合わせるのがベター

これは、一般的に、白ワインでも、赤ワインでも言われることですね!この考え方で合わせることができれば、サーモンやマグロを使ったお寿司から、北京ダックまで、様々なお料理をカバーできます。また、なぜ色を合わせるかというと、これは持論ですが、色が濃くなるにつれて、料理も飲み物も味が濃くなるからです。

極端な話。水は透明ですよね?味は?無味です。ハンバーグって赤黒いですよね?味は?濃いです。こんな感じで、飲み物も食べ物も、色の濃さが味の濃さに比例する。つまり、色を合わせることで概ね味わいの調和が取れるということです。ロゼワインの場合、色調においては、あらゆるお料理をカバーできるため、万能ワインだと言えるということです。

甘さを合わせる

ロゼワインの甘さによってお料理を合わせましょう。

やはり、色調をあわせたとしても、例えばお寿司と甘いワインでは、ベストなペアリングとは言えません。お寿司であれば、辛口のワインと合わせることで、お寿司の塩っけと、ワインの酸味が調和するため、ベストマリアージュになり得ます。特に、辛口ワインはお料理と合わせやすい反面、甘口ワインは要注意です。ロゼワインを開ける際は、必ず甘いか辛いかを確認してから抜栓してください!

まとめ

いかがでしたでしょうか?

この記事を通して、ロゼワインについての疑問の解決や、より一層興味を持っていただけたら幸いです!兎にも角にも、私がこのBLOGを通して申し上げたいのは、美味しいロゼワインは、ほんとに美味しい!!!ということです!

まあ、赤も白も大好きですが(笑)…。では、また!

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